人工呼吸器のアラーム対応
『本当に大切なことが1冊でわかる呼吸器』(照林社)より転載、Web掲載にあたり一部改変。
内容は書籍刊行当時のもの。
今回は人工呼吸器のアラーム対応について解説します。
勅使河原育美
さいたま赤十字病院ICU看護師
呼吸療法認定士
人工呼吸器のアラーム対応
人工呼吸器のアラーム発生時は、まず患者さんに異常がないことを視診とモニターで判断し、何が原因でアラームが作動しているか確認します。
アラームの種類には、無呼吸アラーム(表1)、気道内圧低下アラーム(表2)、気道内圧上昇アラーム(表3)、換気量上限アラーム(表4)、換気量低下アラーム(表5)、換気回数増加(頻呼吸)アラーム(表6)があります。必ず何のアラームが鳴っているか確認してから消音し、その場ですぐに対応します。
memo:バックアップ換気
患者さんの無呼吸を感知すると、強制換気のモードに変更される。無呼吸の時間は設定できるが、バックアップ換気がしっかりされるか、確認も必要となる。
アラームの原因は主に、1)患者さんの換気の問題、2)人工呼吸器回路の問題、3)人工呼吸器本体の問題、4)アラームの設定の問題の4つに分けられます。
アラームの原因が解決されて、患者さんにも異常がないことを確認してからベッドサイドを離れます。アラームの原因が解決できない場合や、患者さんに問題がある場合は医師に、人工呼吸器本体に問題がある場合は臨床工学技士(medical-engineer)にすみやかに報告・連絡をしましょう。
本連載は株式会社照林社の提供により掲載しています。
書籍「本当に大切なことが1冊でわかる 呼吸器」のより詳しい特徴、おすすめポイントはこちら。
[出典] 『本当に大切なことが1冊でわかる 呼吸器』 編集/さいたま赤十字病院看護部/2021年3月刊行/ 照林社